日本記者クラブにて日曹天塩炭鉱賃金表に関する記者会見を開きました

 10月5日の記者会見の様子 左:西岡力会長、右:長谷亮介研究員

皆様

 10月5日に日本記者クラブにて日曹天塩炭鉱の朝鮮人労働者個別賃金表に関する記者会見を開きました。賃金表に関する説明は『歴史認識問題研究』第13号に掲載された「日曹天塩炭鉱史料から判明した朝鮮人戦時労働者の真実(1)」の内容に沿って行い、その後は各記者からの質疑応答となりました。
 従来の学説であった朝鮮人労働者低賃金説、賃金搾取説、無休暇出勤強要説を完全に否定する一次史料であることと、1991年には史料の存在は確認されていたにもかかわらず誰も分析してこなかった点を強調しました。今後の朝鮮人戦時労働者研究を進めるうえで、日本の歴史学界は日曹天塩炭鉱の賃金表を共有する必要があることも指摘しました。

 

 

10月5日の産経新聞でも朝鮮人個別賃金表が紹介されました。

 

※追記 統一日報でも10月10日に報道されました。
【令和5年10月10日付 統一日報記事の要約】
 長谷研究員は北海道博物館で発見した日曹天塩炭鉱の「稼働成績並賃金収支明細表」以外にも、妻の体調不良のため帰国を願い出た朝鮮人労働者の要望が受理され日曹天塩炭鉱に感謝を伝える手紙を根拠として、通説とされている「奴隷労働」説に疑問を投げかけた。一方で、日曹天塩が良心的な企業であったとしても「奴隷労働」説という時代としての全体像反駁できるかについては今後の調査を待たねばならない。