「新しい歴史教科書をつくる会」の本会機関誌掲載論文への反論声明に対する、 本会の見解

 「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」)が令和2年10月9日、同会のホームページに本会の機関誌である『歴史認識問題研究』第7号掲載の勝岡寬次(本会事務局長)論文への反論声明「文科省の「不正検定」を擁護する勝岡寛次氏の論文について」を掲載した。そこでは一方的に勝岡論文を「破綻している」と誹謗し「撤回」を求めた。

 民間の研究者が個人の名前で公表した学術論文に対して、組織として一方的に撤回を求めたことに驚きを禁じ得ない。本会としてはその主張に同意できない。

 すでに組織としての反論を公にされた以上、事前に要請をいただいた本会機関誌次号への個別の反論掲載は、お断りさせていただく。  

 尚、声明最終段落で述べられている、勝岡本会事務局長が杉原氏と面会した際のやりとりとされる部分は、勝岡事務局長の記憶並びに当日の会合の備忘録および同席した髙橋史朗本会副会長の記憶とも著しく相違しており、重大な事実誤認である。  

 杉原氏との個人的信頼関係の下で行われた、非公式ゆえに録音もしていなかった会合のやりとりを、当事者である勝岡事務局長に確認することもせず、一方的に記述して事実誤認をした「つくる会」の声明に、本会としては強く抗議したい。

 本会はこれ以上、「つくる会」およびその関係者と、本件について論争をする意思はない。最終的な判断は、読者に委ねたい。

                           令和2年10月13日
                      歴史認識問題研究会会長 西岡力