12月に入り、2019年も残すところ1か月となりました。
この時期になると、学校入試を思い起こす方もいらっしゃるかもしれません。韓国でも受験シーズンが間近に迫っていますが、この重要な時期に韓国の仁憲(インホン)高校の学生が、教師たちの行き過ぎた政治教育に反対する行動をとりました。
以下の記事を引用しながら説明致します。
「韓国の高校生、学校の『反日教育』に対して『史上初』の集団行動」(2019年10月23日配信)https://www.wowkorea.jp/news/korea/2019/1029/10243908.html
事件が起こったのは2019年10月22日でした。
ソウルの仁憲(インホン)高校の在学生150人がソウル教育庁に仁憲学校が「反日教育」を生徒に強要しているとして「学校の監査」を要求する請願を提出しました。
学生たちは政治に偏った教師たちが校内行事の時、学生たちに「日本の経済侵略、反対する、反対する」「安倍の自民党、亡びる、亡びる」などを叫ぶように強要していたと話しています。
学生たちはこれに関して「学校で行われている価値観と良心の自由を抑圧する教職員の行動は学生の人権を踏みつぶす暴挙」として学生人権に対しても問題を起こしていると主張しました。
「先生はチョ・グク法相の疑惑関連ニュースは全てフェイクニュースだと言っていた。」「授業中に文大統領が嫌だと話したが、先生は大統領が好きなのに、君はもしや極右なのか、などと言っていた」との証言も出ています。
3年生が中心になっている理由に関して、「恥ずかしいが、今まで大学入試に影響が及ぶ『生活記録簿』の記載が終了することを待っていた。記録簿は教師が作成するので、何等かの不利益があり得たので、3年生に対する記録簿の記載が終了した今になって、ようやく抗議が出来るようになった」と述べたとのことです。
抗議の声を上げた学生たちには、「このまま黙って進学する」という選択肢もあったと思います。その選択肢を取らず、敢えて受験の時期に行動を起こしたということは、教師側の偏向教育の押し付けに我慢が出来なかったのでしょう。
行動を起こした学生たちや似た状況に置かれた全国の高校生たちは「全国学生守護連合」(学守連)を創設し、学校側と交渉を進めていくようです。
仁憲高校正門前で行われた学生たちの会見の様子がYouTubeであがっております。
・「韓国の高校生、学校の『反日教育』に対して『史上初』の集団行動」
情報:日本の未来を考える会 広報室
URL:https://www.youtube.com/watch?v=XEq9eoP_42k
調査が進むにつれ、仁憲高校の「思想強要」の内容が報じられてきました。
以下、https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191129-00058421-jbpressz-kr(「学校行事で反日思想注入、韓国の教育現場の実態」2019年11月29日配信)より引用します。
仁憲高校では毎年テーマを決めてマラソン大会を開催しているのですが、2019年10月17日、ソウル大公園で開かれた大会のテーマは「愛国」でした。
学生たちはこのテーマに合ったスローガンが書かれたポスターを持ってマラソンに参加し、「臨時政府樹立100周年」「日本経済侵略反対」「安倍自民党は滅びろ」などの文句が書かれていたそうです。
このマラソン行事について学守連側は韓国メディアとのインタビューで、次のように証言しています。
・「学生たちが手にしていたスローガンは大会の1週間前から準備されたものだ。教師が反日や不買運動に関するスローガンを作ってくるよう指示した」
・「反日に反対するスローガンを作ってきた学生は、教師に別に呼び出され、『まだ正気ではないか』と怒られ、スローガンを作り直された」
・「教師は『日本は経済侵略を謝罪しろ』『安倍自民党を滅ぼせ』などのスローガンを叫ばせた」
・「反日スローガンに反対する学生たちには、『イルベ』『守旧』という暴言を浴びた」
※「イルベ」とは、女性や特定地域、外国人などに対して敵対的な書き込みが目立つネット掲示板のことで、韓国では「極右翼」という意味でとらえられています。
学守連側が暴露した仁憲高校の教師たちの「思想注入」は、反日だけではく、「曺国のニュースはすべてフェイクニュースだ。信じる者は犬や豚と同じだ」。「李明博、朴槿恵は詐欺師だ」。「私は文在寅大統領が好きだが、文大統領が好きな学生は手を上げてみろ」と学生に話していたとのことです。
今年の10月に歴史認識問題研究会は日韓国際シンポジウムを開催いたしました。その中で、韓国よりお招きした金基洙弁護士は、韓国は今、全体主義が韓国社会に蔓延し、自由民主主義が蝕まれていると話して下さいました。
→こちらをご参照下さい
今回の事件は、図らずも金弁護士の主張が正しいことを証明いたしました。
勇気をもって告発した仁憲高校の生徒でしたが、その後の学校側やソウル市教育庁の対応は彼らの行動を否定するものでした。
次回の投稿では、声明後の学生たちが受けた理不尽な境遇をご紹介いたします。
※本ページにて掲載しております写真は、https://www.wowkorea.jp/news/korea/2019/1029/10243908.htmlより引用いたしました。