ユネスコは、8ヵ国のNGOらが申請した慰安婦に関わる文書の「世界の記憶」登録を見合わせた。ユネスコが30日ホームページで発表したところによると、国際諮問委員会 (ICA)が「関係国の対話が必要だ」と勧告し、ボコバ事務局長がそれにしたがって登録を見送ったという。登録に反対してきた日本の学者の立場から、私たちはこれを歓迎する。
私たちは学者として、これまで様々な形で同申請の問題点を指摘してきた。また、保守系NGOの皆様も多くの努力をしてきた。わが国政府も登録に当初から反対してきた。今回の見送り決定はそれら官民の努力の成果と言える。関係者の努力に敬意を表したい。
ここで、あらためて私たちが登録に反対した主な理由を挙げておく。
1 申請文書が非公開で当該国である日本の学者や関係者との協議が一切無い
2 「性奴隷」「ホロコーストに匹敵」など偏った見解を有する団体による申請である
3 日韓両政府の合意に反対する反政府運動体による政治的申請である
残念ながら、これまでユネスコやそれ以外の国連関連機関は、偏った見解を持つ団体による反日プロパガンダ拡散の場になってきた。それを放置してきたわが国外交当局の責任は重い。今回の成果を踏まえて、わが国の名誉を守るために反日プロパガンダに対してはきちんと反論するという姿勢を強化していくことを求める。
私たちが昨年、本研究会を結成したのも、国際社会に拡散する反日プロパガンダと戦うためだった。研究会結成以前から、私たちは本問題に取り組んできた。その意味で、今回の決定は本研究会にとって意義あることだった。これからも、本研究会は民間の立場から反日プロパガンダと戦う活動を続けていく。
平成29年10月31日
歴史認識問題研究会
会長 西岡 力
副会長 高橋史朗