佐渡金山を朝鮮人強制労働の現場だと主張する人々の正体

皆様

 8月27日、28日に佐渡金山は朝鮮人の強制労働の現場であると主張する「強制動員真相究明ネットワーク」の研究会と佐渡フィールドワークが開かれました。当研究会の者も参加し、そこでの見聞がJAPANForwardにて紹介されました。以下より記事を閲覧できます。

JAPANForward 10月17日記事
Unmasking the Opposition to Recognizing the Sado Mines as a World Heritage Site

 

 また、日本語版をこちらに記載いたします。

 

  佐渡金山世界遺産登録に反対する人々の正体(長谷亮介)

朝鮮人の強制連行・強制労働に学術的根拠なし
 2022年8月27日、新潟県で佐渡金山の世界遺産登録に反対する市民団体の講演会が開かれた。強制動員真相究明ネットワーク(以降、ネットワーク)という団体であり、韓国人の発表者もいた。世界遺産に登録するならば、朝鮮人が暴力的に日本に連行され(強制連行)、奴隷のように働かされた(強制労働)ことも記せという彼らの主張は何一つ歴史の事実を踏まえていない。
 まず、事実を説明したい。1939年から1945年にかけて日本へ渡った朝鮮人の総数は約240万人である。そのうち、日本企業の募集や朝鮮総督府による斡旋、日本政府による徴用令によって日本へ来た朝鮮人が約60万人である。つまり、日本へ渡った朝鮮人全体の約75%が自主的に日本へ行ったのである。さらに、日本企業の募集などに応じた朝鮮人の多くは積極的に参加して日本へ働きに行ったことが一次史料から判明している。同様に、朝鮮人が日本人と同じ待遇で雇われていたことも史料によって明らかとなった。朝鮮人の強制連行も強制労働も学術的に根拠のない神話なのである。

 

学問的な反論が出来ない世界遺産登録反対派
 渡日した朝鮮人の7割以上が自主的な渡航であったという学説は麗澤大学客員教授である西岡力氏が2005年から唱えている。西岡氏による学術的な歴史考察はネットワークの人々にとって不都合な真実である。そのため、西岡氏の学説は日本の学界に認められていないという不可思議な反論を行った。しかし、ネットワークの人々の中にも過去に強制連行という表現に否定的な研究者が存在した。金英達(1948~2000)が代表的であるが、彼らは西岡氏の指摘した事実を受け入れることができず、自陣営の先行研究さえ整理できなくなっている。

 

世界遺産登録反対派の正体
 筆者は8月28日に行われたネットワークの佐渡現地調査にも参加し、彼らの正体を垣間見た。彼らにとって重要なことは歴史の事実ではなく、日本の全てを否定し、批判するという政治的思想が優先される。したがって、朝鮮人の強制連行や強制労働を証明できない事柄でも無理やり関連させて、日本批判を行いたいのである。
 佐渡市には金山で働く労働者の為の共同炊事場の跡が残っている。そこで日本人労働者と朝鮮人労働者のために弁当をつくり、金山まで運んだという。これは朝鮮人の待遇が日本人と差が無かったことを示している。しかし、ネットワークの人々は朝鮮人を強制労働させるためにあらゆる手段を使っていると考え、共同炊事場跡に朝鮮人労働者の慰霊碑を建てようと話していた。

 

記念撮影で「安倍国葬反対」の掛け声
 決定的なのは、記念撮影の時の掛け声が「安倍国葬反対」と言って、拳を突き上げるように呼びかけたことだ。筆者を含めて数名は指示を無視したが、これが佐渡金山世界遺産登録に反対する人々の正体なのであろう。佐渡金山の歴史の理解を深める活動でなぜそのような掛け声があがるのか?それは、彼らが特定の思想を持った政治団体であり、歴史の事実を歪曲してでも日本を批判することが彼らの目的だからである。