日韓法律家共同声明1周年シンポジウム

皆様

 いよいよ年の瀬も近づいてまいりました。12月25日に日本弁護士協会再建準備会と歴史認識問題研究会が主催となり、日韓法律家共同声明1周年シンポジウムを行いました。

 2019年12月23日、韓国大法院判決を批判する日韓の法律家16名と賛同研究者2名による「1965年日韓請求権協定の尊重を求める日韓法律家共同声明」が、東京とソウルで同時に発出されました。

 共同声明1周年を迎えたのを機に、改めて共同声明の趣旨を確認するとともに、『反日種族主義』の著者やこれに賛同する研究者に対する弾圧の動きも起こるなどを見せる韓国の状況悪化を阻止するための具体的な方策を議論すべく、共同声明に参加した両国法律家及び研究者による国際シンポジウムでした。

 韓国側では金基洙弁護士、李宇衍博士、柳錫春教授、李柱天教授が、日本側では髙池勝彦弁護士、岡島実弁護士、西岡力教授、髙橋史朗教授が参加いたしました。

 韓国側の説明により、韓国社会の状況が切迫していることが浮き彫りとなりました。2019年9月19日、延世大学で講義中に韓国人慰安婦たちは貧困から抜け出すために売春行為に入るようになったと説明した柳錫春元教授に2020年11月3日にソウル西部地方検察庁から起訴状が送られました。

 慰安婦に対する新しい解釈と討論を弾圧し、韓国国民に慰安婦については「絶対に他の考えをするな」という思想的統制が行われたのです。柳元教授は検察がこの問題で起訴した事実は、思想統制の試みに国家権力が手を差し伸べたことであると警鐘を鳴らしています。

 李宇衍博士は、日韓の友好と歴史の真実を守るための日韓連帯委員会の立ち上げを提唱し、共に戦うことの重要性を説明しました。

 私たちも李博士が構想する委員会に賛同し、共闘したいと考えております。今後、歴史認識問題研究会は慰安婦、戦時労働者、両国関係発展が両国国民にあたえる利益などを広報する活動をより精力的に進めてまいります。

 シンポジウムの様子
 写真左から西岡力教授、岡島実弁護士、髙池勝彦弁護士、髙橋史朗教授

 

 ビデオ会議にて韓国側に応対する西岡教授